【工房DX編1】注文書雛型もない、発注先一覧もない、あるのは大量のシートを抱えるエクセルだけ

大手企業、カナダ移住、IT系企業を経て、チーズ工房にやってきた私。大手企業に勤めていた際に、デジタル化が進む中、それでもまだ紙が多いと思っていたが、チーズ工房のアナログさにびっくりしました。受注管理や請求書関係はもちろん、備品の発注など、手書きではないにしろ、毎回手打ち。事務作業に時間がかかっている現状に驚きを隠せませんでした。

プログラミングに足を突っ込んだ程度の私が、そんな小規模工房のDX化を粛々と進めていきます。今回は備品の発注。

地味だけど一番大事な備品発注

チーズ工房にきて数ヶ月、ようやく工房での動き方に慣れてきて、それぞれの業務にどんなものが必要かがわかってきた頃、備品の発注を任されるようになりました。これまでは製造責任者の方が全体の備品管理をされていたので、横目に見ていた程度でしたが、ほぼ毎日、二日に一回は何かしら発注していました。チーズの製造に必要な塩などの材料系、掃除に必要な洗剤や用具、包装に必要な包装資材など、実は毎日使っているものがたくさんあり、それも大量に消費していたのです。

裏方の業務ではありますが、このように、ないと全ての業務が止まってしまう、備品発注の大役を任せていただくことになったのです!

まさかのエクセル手入力&紙保存

備品発注の引き継ぎを受けました。

「マジか!」

これは、心の中で叫んだ一言です。(みなさんの想像の5倍は大きな声だと思います、多分引き継ぎしてくれた責任者の方にも聞こえていたと思います)

何に驚いたかというと、

  • まずFAXでの発注
  • 毎回、この備品はどこの業者に頼むかを代表に確認
  • 確認する方法は、一つのエクセルでシートに分けられた全ての業者への注文書の履歴
  • 業者を見つけたらそのシートに上書き
  • 日付、商品名、数量は全て手入力
  • 管理は印刷した注文書をバインダーで保存(数ヶ月分溜まり、バインダーがパンパン)

さすがに手間すぎる、、、
「発注先の確認」「商品名の確認」「注文書の作成」「印刷」「FAX」「書類の保管」
一つの備品を注文するのに10分程度かかってしまう。

理想通りにはいかないDX化第一歩

備品の注文を「1分」に短縮したい!!

これが私の理想です。想定できる最善策は、、、

  1. プルダウンで備品を選択
  2. 数量を指定
  3. 同じ発注先の他の備品を表示し、必要であれば数量とともに選択
  4. ボタン一つで注文書作成
  5. 注文書の表示
  6. ボタン一つで、発注先へ注文書をメール送信

プルダウンでの選択、ボタンの押下のみで注文完了できます。

ただ、理想通りにはいかないですよね。業者もDX化が進んでいるわけではないので、

FAX注文がいい

と、、、、そんなことある?どうやら、「受注方法を変える」のに抵抗があるというのはもちろん、FAXの方が「気づきやすい」という理由でした。(まあわからなくもないけど、メールでも、、、、)

文句を言いながらの折衷案

正直、大手企業にいた時に、ペーパーレス化が全然されていなくて、アナログなことがたくさんありました。規模が大きく慣ればなるほど組織的な改革になるので腰が重いんだと納得しました。(上がおじいさんばかりなので、新しいことに順応できないという理由も大いにあると思いますが笑)

なので、小規模なお店ほど柔軟だと思っていましたが、小規模なお店なりに変化は難しく、どんな企業も変化は簡単ではないのだと思い知りました。

全てを効率化することが正義ではない

取引先のやり方を尊重しつつ、工房内の手間はできるだけ減らすということを意識、折衷案を考えました。

  1. プルダウンで備品を選択
  2. 数量を指定
  3. 同じ発注先の他の備品を表示し、必要であれば数量とともに選択
  4. ボタン一つで注文書作成(月毎にデータで保存)
  5. 注文書の表示、印刷
  6. FAX送信

理想通りは叶わなかったですが、大幅な効率化になるでしょう!?(強め)

工房長とすり合わせを経て、発注先データ・商品マスタをまとめ、注文書の雛型を作成。商品名が結構複雑なものが多く、時間のかかる作業でした、、(パソコンをよく探したら、以前に商品マスタをまとめたであろうエクセルを見つけましたが、とてもじゃないほど見づらく誤情報も多く、全く参考になりませんでした。)

そして、スプレッドシート上に専用の「発注入力サイドバー」を自作しました!(下記画像2枚目を参照)

シートのセルに直接打ち込むのではなく、右側のパネルからプルダウンで商品を選び、ポチポチ追加して「発注する」を押すだけで、左側の発注書テンプレートに自動で流し込まれ、PDFまで一発生成されます。

GASはおろか、JavaScriptの経験もないので、AIとの共同作業でしたが、なんとか数日で完成!!!
(こんな機能があるんですね笑 AIに相談しなければ、pythonで一からwebサービスを作るところでした。)

あとで気づきましたが、Googleサービスを利用するのに、Geminiではなく、chatGPTを使うという愚かな行為をしてしまいました。

出来上がりはこんな感じ!

①発注書スプレッドシートを開く
②サイドバーから注文内容を選択し、注文書自動作成
③自動作成された発注書PDF

終わりに

出来上がった簡単なシステムのおかげで、備品発注作業は、

「10分」→「3分」

そして、今では事務担当の方が備品発注を担ってくれているので、引き継ぎも「このシートの場所を教えるだけ」で済みました!

しかし、これはまだ工房DXの序章に過ぎません。
備品発注という小さな改善を果たした私ですが、次は、日々の売上を手入力している「売上集計」業務が待ち構えていました。チーズ製造の勉強を優先しながら、ゆったりと改善していきます。
次回、【工房DX編2】へと続く。

ご相談募集中

今回、DX化で最も刺さったのは、

「相手のFAXの習慣を無理に変えさせるのではなく、自分たちの手作業だけをゼロにする」

という現場に合わせた引き算の設計です。

もし、この記事を読んでいるチーズ工房はもちろん、カフェ、パン屋さん、職人さんなど、小規模ビジネスのオーナー様で、

  • 「毎日の備品発注や仕入れの確認で、エクセルのシートを行き来して疲れている」
  • 「専用の受発注システムを入れるほど予算はないけれど、手作業を減らしたい」

という方がいらっしゃれば、現場のオペレーションに合わせた「身の丈に合ったスプレッドシート自動化」の導入サポートやご相談を承っています。

「うちのこの作業、自動化できる?」という段階でも大丈夫ですので、お気軽に[お問い合わせフォーム / ココナラ]よりお声がけください!

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